怒りは何のためにあるのか?

怒りは何のためにあるのか? そもそも怒りとはどのような感情なのか?

改めて問われると、ふと考え込んでしまいますね。誰もが知っている怒りですが、いざ説明となると難しい。それには理由があります。これまで怒りについて学んだこと、教わったことがないからです。

怒りは、人間にとって、ごく自然な感情の一つです。怒りの感情がない人はいないし、なくすこともできません。

一見、穏やかそうに見える人にも怒りの感情はあります。一般的に穏やかな人は怒る頻度が低く、仮に怒っても怒り方が強くはありません。滅多に怒らず怒鳴ったりもしないので、穏やかに見えるのです。また、自分が怒っていることに気づいていない人もいます。アンガーマネジメント研修を受けて初めて自分の怒りっぽさに気づいた、という人も少なくありません。

怒ることは悪いこと、というイメージがありますが、感情に良いも悪いもありません。ただ、怒ることに罪悪感を持ったり、躾のなかで怒ることは恥ずかしいことだと教えられてきた人が多いのは事実です。また、怒って後悔した経験の積み重ねから、怒ることは良くないと思う人もいるでしょう。

しかし、怒りは人間にとって自然な感情です。怒りの感情がない人はいないし、なくすこともできません。

なぜなら、怒りは、身を守るための感情、防衛感情だからです。

私たち人間を含むすべての動物は、自分の身に危険が迫った時、[自己防衛のため]とっさに闘うか逃げるかを選択します。これを「闘争・逃走反応」または「急性ストレス反応」と言います。この時、発汗や血圧の上昇、呼吸数や心拍数の上昇などと共に、怒りの感情が生まれます。この身体や心の反応には、脳の側頭葉前方にある扁桃体と呼ばれる部位が関係していることがわかっています。ですから、この部位を事故で損傷したり手術で切除したりしない限り、怒りの感情をなくすことはできないのです。

繰り返しになりますが、怒りは、人間にとって自然な感情です。怒りの感情がない人はいないし、なくすこともできません。怒ることは悪いことではありません。怒りは感じても良いのです。