激昂の思い出

もう何年も前のこと。まだ、アンガーマネジメントを知らなかった頃の話です。

大手ガソリンスタンドで、5,000円の洗車カードが「今なら2,500円」というので購入しました。これまで洗車は夫に任せていましたが、これを機会に私も洗車に来よう、そうすれば車好きな息子(当時は小学校低学年)と、これからたくさん一緒に洗車できる、きっと喜ぶだろうな、と思ったのです。

ところが。そのカードの有効期限は、その時点で残りわずか3週間。2回目に行った時、すでに有効期限が切れていて使えませんでした。激しい怒りがこみ上げてきました。

結局、支払った金額のうち前回の洗車費用分を差し引いた額が返金されたのですが(私は怒鳴ってしまいそうだったので、代わりに夫に対応してもらいました。)悪びれる様子もない店長の口調に、私は尚も強く、激しい怒りに震えていました。

「確かに、有効期限を確認しなかった私も悪い。しかし、有効期限3週間なら販売前にそれを客に伝えるべきだ。それが企業としてのモラルだろう。これは詐欺も同然だ。大手企業がこんな詐欺まがいのことをして良いのか。これは絶対に許せない。断じて許さない。返金の対応だけでは絶対に済ませない。必ず社会的制裁を加えてやる。閉店に追い込んでやる。」(私の「怒りの強度」は、偏差値65というハイスコアです。)と、具体的にどういう流れで何をするか、本気で画策していました。

今は、なぜ、私があそこまで怒ったのか。その理由がはっきりわかります。

わが子です。わが子の喜ぶ姿、わが子の笑顔、わが子と一緒に洗車をする時間。それら無上の喜び、もっと言うと”幸せ”を奪われたような気持ちになったのだと思います。そんな思いが大きな悲しみとなり、その悲しみの大きさの分だけ、怒りが強くなったのでしょう。(怒りは第二次感情)また、敵に大切なものを奪われそうになっているという錯覚、闘争・逃走反応に陥ったということもあると思います。(怒りは防衛感情/闘争・逃走反応)

あのガソリンスタンドは、今も営業しています。便利な場所にあるので、とても助かっています。もしあの時、アンガーマネジメントに出会わなければ、私はきっと後悔するような行動を取っていたでしょう。今は、「あの頃は、ガソリンスタンドも経営が大変だったのかもしれないな。まあ、色々あるよね」と思うだけで、特に怒りはありません。