価値観の反転

子どもを持ってからイライラするようになった。お母さま向けのアンガーマネジメント講座で、よく聞かれる言葉です。実は私もそうでした。

子どもが幼い頃、私は常にイライラし続けていました。その理由を私は「仕事に全力を注ぎたいのに、家事や育児があってそれができないから」だと思っていました。

しかし、先日ふと、そうではなかったのかもしれない、逆だったのかもしれない、と思いました。本当は、家族のこと、家のことに100%の力を注ぎたいのに、仕事があってそれができないからイライラしていたのかもしれない、と。

私は仕事をする時、「期待以上のクオリティで仕上げなければ」「120%の評価を獲得しなければ」と考えていました。誰からもそれを求められたことはなく、むしろ充分過ぎるほどの評価をいただいていたにも関わらず、です。大した実力も能力もないのに、「もっと上。もっと上をめざせ」と、勝手に自分を追い込んでいたのです。

今振り返ると、この数十年、追い求めても追い求めても「理想の自分」を手に入れることができない自分に苛立っていたように思います。焦燥感、飢餓感を常に抱えていました。もしかすると、それが、イライラや怒りの温床になっていたのかもしれません。

価値観の反転。これは、費やす時間の問題ではなく、心の比重の問題です。私はこれから、どちらも選べないイライラから解放されるかもしれません。