まず自分と向き合うことから

「子どもが言うことをきかない。」
「親の言うことを聞かせるには、どう言えば良いか。」

よくいただくご質問です。子を案じるからこそ、親である自分の言う通りにさせたい、ということだろうと思います。その気持ちは、私もとてもよくわかります。

しかし、アンガーマネジメントは、他者を変えません。他者ではなく、自分が変わることをめざします。

事例を1つご紹介します。小学2年生の男の子のお母さまの例です。

「休み時間や放課後はサッカーなどをしてもっとお友達と活発に遊んでほしいと思っているのに、息子は読書ばかり。もっと友達と遊べと何度も言うのだが、まるで言うことをきかない。一人で帰ってくる息子、遊びに行かず読書をしている息子を見るとイライラして仕方がない。」

こんな時は、まず自分と向き合います。なぜイライラしてしまうのか。

少し時間はかかりましたが、「友達のいない子になったら心配だから」の、「心配」という言葉から紐解くことができました。

お母さまも、実は、集団が苦手で、本当は一人でいたかったのだそうです。でも、一人でいると先生が「一人ではかわいそうだから、〇〇ちゃん、一緒に遊んであげなさい」と何度か言われるようになり、それが嫌で必ず誰かと一緒にいるように努力したそうです。

「私は別に一人でも良かったんです。必要な時に話す人はいたから、別に困ることもなかったし。考えてみたら、男の子だから活発に外で遊ぶべきとか、休み時間は一人でいるべきでないとか、子どもは友達といるべきとか、そんなことにこだわる必要なんて、ないんですよね。もしかすると、私に何を言われても気にせず我が道を行く、本を読み続ける息子が羨ましくてイライラしていたのかもしれません。」

それ以降、お母さまは、自然と、外で遊べとも本を読むなとも言わなくなったそうです。(ただ、目が悪くならないよう、時々、窓の外、遠くの景色を見るように声をかけるだけにしたそうです。)「驚くほどイライラすることがなくなりました」とおっしゃっていました。すると、お子さんにも変化が現れて、時々、友達を連れてくるようにもなったそうです。

不思議、とおっしゃっていましたが、不思議なことではありません。お母さまが子どもの頃に先生から言われた「一人ではかわいそうだから」という押し付けられた価値観に縛られていただけなのです。

必ずしも「一人ではかわいそう」というわけではない。そんなふうに価値観が変わったから、言動が変わったのです。自分の言動が変わると、周りも影響を受けます。だから、お子さんの行動も変容したのでしょう。私自身も、そのような経験を何度かしました。

怒りを感じたら、相手を変えるのではなく、自分と向き合う。人は、とかく人を変えたがりますが、急がば回れ、です。まずは自分と向き合う。ぜひ、試してみてください。


言葉から気づく

息子が、私の部屋のドアをノックもせずに開けたときのこと。

「ノックしてから入ってきてよ。ママ、いつもそうしてるでしょ。」

つい抗議めいた口調でそう言ってしまってから気づきました。「ママ、いつもそうしてるでしょ?」は余計なんですよね。必要なことは、今こうしてほしい、次からこうしてほしいとリクエストすること。だから、シンプルに「ドアを開ける時はノックして」そう言うだけで良かったのです。

実は、私は息子の部屋に入る時、必ずそうしています。親の私がそうしているのだから、そんな姿を見ている息子も【当然】そうするだろう、と思い込んでいました。

怖いですね。これは完全に思い込みです。「俺の背中を見て学べ」的な思考です。教わらなければ分からないことだってあります。

また、よく思い返してみると、息子は日頃、ドアを開ける前に「今、いい?」と声をかけてくれています。今回の件は息子にとって大切な用事だったので、声をかける余裕がなかったのでしょう。(あとで、非常に重要な書類を私に渡そうとしていたことがわかりました。)

「ママ、いつもそうしてるでしょ?」

この言葉の中に、「息子なら、私がやっていることを、言われなくてもするはず(あるいは、するべき)」が透けて見えます。

私がやっているのだから、誰もがするはず。
しきゃいけない。
して当然。
するのが常識。
普通するよね。

この思い込みが、怒りの正体です。アンガーマネジメントを知る前の私なら、「そんなことも言われなきゃわからないのかっ!」などと人格攻撃に走っていたでしょう。しかも、日ごろはきちんとできていることも思い出せずにいたのです。恐ろしいことです。

発した言葉から、怒りの正体に気づけることもあります。「あ。私、今怒ってるな」そう思ったら、ぜひ自分の言葉をふりかえってみてください。


2020年を迎えて

2020年を迎えました。今年は東京五輪があります。

私は、前回の東京オリンピック開催年1964年生まれです。母は産院のベッドで眠る生後間もない私と一緒に、東京オリンピック開会式の様子をテレビで見たそうです。自分が母親になったという思いも重なり、堂々と歩く日本選手団の姿に胸がいっぱいになったと話していました。

さて、昨年は、アンガーマネジメント研修登壇のご縁をたくさんいただきました。身に余る光栄でした。ご依頼いただきましたみなさま、誠にありがとうございました。また、アンガーマネジメント入門講座にいらしてくださったみなさま、足をお運びくださり、本当にありがとうございました。アンガーマネジメントが少しでもみなさまのお役に立てますことを心より願っております。

私は今年も、アンガーマネジメントをお伝えしてまいります。3月からは、
・アンガーマネジメント叱り方入門講座(90分・3,300円)
・アンガーマネジメントパワーハラスメント防止入門講座(90分・3,300円)

も開講いたします。ご興味がありましたら、ぜひご受講にいらしてください。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


価値観の反転

子どもを持ってからイライラするようになった。お母さま向けのアンガーマネジメント講座で、よく聞かれる言葉です。実は私もそうでした。

子どもが幼い頃、私は常にイライラし続けていました。その理由を私は「仕事に全力を注ぎたいのに、家事や育児があってそれができないから」だと思っていました。

しかし、先日ふと、そうではなかったのかもしれない、逆だったのかもしれない、と思いました。本当は、家族のこと、家のことに100%の力を注ぎたいのに、仕事があってそれができないからイライラしていたのかもしれない、と。

私は仕事をする時、「期待以上のクオリティで仕上げなければ」「120%の評価を獲得しなければ」と考えていました。誰からもそれを求められたことはなく、むしろ充分過ぎるほどの評価をいただいていたにも関わらず、です。大した実力も能力もないのに、「もっと上。もっと上をめざせ」と、勝手に自分を追い込んでいたのです。

今振り返ると、この数十年、追い求めても追い求めても「理想の自分」を手に入れることができない自分に苛立っていたように思います。焦燥感、飢餓感を常に抱えていました。もしかすると、それが、イライラや怒りの温床になっていたのかもしれません。

価値観の反転。これは、費やす時間の問題ではなく、心の比重の問題です。私はこれから、どちらも選べないイライラから解放されるかもしれません。


怒りを癒しに

11月9日に母を亡くして、もうすぐ2ヶ月。「まだ」なのか「もう」なのか。泣き続ける日々ではなくなりましたが、つい、以前のように「これ、母が喜びそうだな、買って行こうかな」「このこと、母に話したら大笑いするだろうな」そんなこと考えては、それができないことを思い出して涙がこぼれてしまう。今は、そんな毎日です。

亡くなる前の3カ月間ほど、私は、神様にいつも腹を立てていました。

母は、いくつもの重い病気を抱えていました。限界まで認知症の父を介護し、父を施設にお願いした直後、大きな病気が見つかりました。痛かったはずなのに、苦しかったはずなのに、誰をも、何をも恨まず、日々の暮らしの小さなことに喜びを見つけて、母は前向きに懸命に生きていました。

母は、ただ一生懸命に生きているだけなのに。なぜ神様は、こんなにも母を苦しめるのか。もしできるものなら神様の肩を揺すって、「どういう了見で母をこんな目に遭わせるのか」と問い正したいような気持ちでした。

怒りは飛び火して、マナーやモラルに反する行為、他人を尊重しない態度、といったものに向かいました。このような怒りは、私の場合、「これを見過ごしてはいけない。みんなが迷惑する」「同じような思いをする人が二度と出ないように」などといった利他的な動機が前面に出てくるため、「自分が怒っている」とは気づけないまま、相手に正論で挑もうとします。アンガーマネジメントを知らなければ、色々なところで、私は取り返しのつかないことをしていたでしょう。

今もまだ、私の心の中は悲しみでいっぱいです。寂しさも、後悔も、罪悪感もあります。私は、怒りを感じやすくなっているはずです。

今、私のデスクには、母が若い頃の笑顔の写真がたくさんあります。母は、とても幸せだった。そう思うと、心がとても慰められます。自分を笑顔にしてくれるものを回りに置く。これもアンガーマネジメントから教わったことです。だから、悲しいけれど、寂しいけれど、とても癒されています。これが怒りとなって表出するか、癒しにつながるか。この違いはとても大きいと思う。アンガーマネジメントに、私の人生は支えられています。


認定心理士に

今日、公益社団法人 日本心理学会から「認定心理士認定証」が届きました。同封されていた「倫理規程」や、学会誌「心理学ワールド」を読んで、「心」に関する研修に登壇する人間としてのスタートラインにようやく立てた、そんな気持ちになりました。

認定心理士には以下の科目で申請しました。すべて放送大学での履修です。

心理学概論(’12) 
教育心理学概論(’14) 
心理学研究法(’14) 
心理統計法(’17) 
心理学実験1 
心理学実験2 
心理学実験3 
心理検査法基礎実習
認知心理学(’13) 
錯覚の科学(’14) 
生理心理学(’18) 
学力と学習支援の心理学(’14) 
発達心理学概論(’17) 
臨床心理学演習A 
臨床心理学演習B 
心理臨床の基礎(’14) 
心理臨床とイメージ(’16) 
心理カウンセリング序説(’15) 
認知行動療法(’14) 
乳幼児・児童の心理臨床(’17) 
思春期・青年期の心理臨床(’13) 
中高年の心理臨床(’14) 
精神分析とユング心理学(’17) 
人格心理学(’15) 
社会心理学(’14) 
交通心理学(’17)

アンガーマネジメントを伝えるにあたり、この知識は必ずしも必要ではありません。では、なぜ学んだのか? 理由は、知りたかったから。ただ、知りたかったから学んだのです。

パソコンインストラクター時代も同じことをしていました。WordやExcelを教えるのに、パソコンを解体してパーツの名前や働きを知る必要はありません。でも、私は何がどうしてこうなるのかを知りたかったのです。だから、パソコンを解体したり、逆に組み立てたりしました。私が心理学を学んだのも、それと同じです。何がどうなっているのか、心のしくみを知りたかった。それだけなのです。

今、やっとスタートラインです。これからも自分自身の怒りを通して、「怒り」と「心」について、深く考えていきたいと思います。55歳。まだまだ、これからです。


AMCSに認定

7月1日付けで、アンガーマネジメントコンサルタントに認定されました。これで、念願の「個人セッション(マンツーマン)」や「グループセッション」を行うことができます。

「怒り」の表現方法、その奥にあるもの、本当に伝えたいこと。自分の心にじっくりと向き合い、豊かな人生を見つけるお手伝いができたらと思っています。

「怒り」は、内なる自分からのメッセージです。内なる自分の声を一緒に聞いてみませんか?


できることを探す

母が腰椎圧迫骨折で入院しています。今月初め、6度目の手術を終えて退院した翌日でした。痛み、吐き気、目眩。「もう堪忍してもらいたい」母から聞く、初めての弱音です。

この6年。母は、誰をも憎まず、何をも恨まず、現実を受け入れ、出来ることに取り組んで朗らかに生きてきました。「1日1つ。今日は布団をあげられた。今日は苗に水をやれた。そう思うと、よし!って元気が出るのよ」

それなのに、なぜ母をこんな目に遭わせるのか。神様がいるなら、胸ぐらをつかんで問い質したい。私は今、神様に猛烈に怒りを感じています。

怒りは、エネルギーになります。母の病気は、私の力で治すことはできません。でも、苦しみを和らげる方法が何かあるはず。私は、怒りのエネルギーを使って母を癒す方法を探したい。負けないぞ。


小さな決意

今日は都内のパソコンスクールにてネットワークの講義。好きな科目なので教えるのが楽しい。でも、パソコンを教える仕事はこれで終わりにする予定です。これからはアンガーマネジメント1本に絞ろうかと。

なぜなら、頭の中が「アンガーマネジメント」でいっぱいだから。ネットワークの授業準備をしていても、頭に浮かぶのは「べき、今度はこの事例にしてみよう」とか「行動の前、イントロダクションをこんなふうに変えてみよう」とか、そんなことばかり。

約20年間、パソコンの講義に全力で取り組んできました。どうしたら難しい専門用語をわかりやすく、楽しく教えられるか、日々考え続けていました。精一杯やったと、胸を張って言えます。だから、今度はアンガーマネジメントに持てる力を注ぎたい。

あと一日。最後の生徒さんは、これからIT業界で活躍したいと頑張る20代の若者たちです。明日、真心をこめて授業したいと思います。


情報セキュアドに合格

2016年10月16日に受験した「情報セキュリティマネジメント」の合格証書が届きました。記念に、受験体験記をアップしました。
http://misystem.jp/exam/

昨年からアンガーマネジメントを伝えるようになった私にとっては、おそらくこれが最後の情報系資格です。

1994年10月に取得した日商ワープロ検定2級に続いて1級も取得、その後はMOTや初級シスアド、Webデザイン技能検定などなど、全部で24資格。資格名を見ているだけで、当時の様々な思い出がよみがえります。楽しかったな。

これから私は「心」の世界に足を踏み入れます。50歳でアンガーマネジメントに出会い、51歳から大学で心理学を学び始める。すべてはアンガーマネジメントのため。一日一日を大切に。これからも努力を続けます。


2017年を振り返って

2017年も、たくさんのご縁をいただき、アンガーマネジメントをお伝えすることができました。また、日本アンガーマネジメント協会の公募案件にも初めて採用していただき、埼玉県長瀞町にてアンガーマネジメントをお伝えいたしました。アンガーマネジメントをぜひ今後にお役立ていただければ、と願っております。

今年は、入門講座を月3回ペースで開講いたしました。受講者数は、毎回数名です。ビジネスとして成立はしていません。それは、研修講師として恥ずべきことなのでしょう。努力不足の面もあるのだと思います。しかし、私は、これからも90分のアンガーマネジメント入門講座を定期的に開講し続けます。90分で不安から安堵の表情に変わる、そこに意義を感じるからです。

一口に「怒り」と言っても、強さも、深さも、本当に人それぞれの「怒り」がありました。書籍でもない、動画でもない、生身の人間同士で同じ空間で怒りについて語り合うことの意義深さをこの2017年は非常に強く感じました。

来年は、週1回のアンガーマネジメント入門講座開講が目標です。夜間開催を増やし、仕事帰りに受講できるよう準備をしたいと思います。アンガーマネジメントを学ぶと、自分の怒りを知ると、生き方が変わります。来年、お会いできますことを楽しみにしております。


6秒で逆に怒りが強くなる理由

先日、あるインターネットの掲示板で「6秒待ったら逆に怒りが強くなった」という書き込みを見かけました。

アンガーマネジメントの6秒ルールは「反射」を防ぐことが目的なので、ついカッとなって怒鳴ったり、叩いたりしなければそれでOKなのですが、それでは納得できない方が多いようです。そこで今回は、6秒で逆に怒りが強くなる理由について、書いてみたいと思います。

6秒待ったことで、逆に怒りが強くなる理由。それは、頭の中で怒り続けているからです。

表面上は平静を装っていても、頭の中では「ありえない」「信じられない」「考えられない」「普通じゃない」「非常識」など、相手を責める言葉でいっぱいではないでしょうか。これでは、怒りの炎に、自分で油を注いで炎上させているようなものです。

誤解されている方が多いのですが、「6秒待つ」とは、6秒我慢する、6秒抑える、ではありません。「6秒間、怒りを頭から追い出す」です。

目の前にムカつくヤツがいるのに、どうやって追い出すんだ!と、たった今、お怒りの方もいらっしゃると思います。が、頭から怒りを追い出すことは、できます。人間の脳が一度に処理できる情報量には、限りがあるからです。

仮に、激昂するほどの強い怒りに襲われたとします。しかし、もしその時、地震などで自分の身体が大きく揺れたら、どうですか? 一瞬、はっ、としませんか?「あれ?地震?」「あれ?まだ揺れてる?」と状況を見極めようと集中しませんか? その瞬間は、自分の身を守ることが最重要課題になり、怒りは後回しになるのではないでしょうか。

アンガーマネジメントの6秒テクニックを使うと、「6秒間、怒りを頭から追い出す」ことができます。スケールテクニック、コーピングマントラなどなど。

6秒経過すると、脳内の「前頭葉」と呼ばれる「冷静な判断」や「論理的な思考」を行う部位が活動を始め、この怒りにどう対処すべきか冷静に考えられるようになります。前頭葉が働き始めたら「よし、ここは大きな声で主張しておこう」とか、「今回は見逃そう」「次からこうしてほしいと伝えよう」など、怒りをどう表現するか、選択することができます。

つまり、怒りにまかせて怒るのではなく、自分が「どう怒るか」を決めて「怒る」ことができるのです。そして、それこそがアンガーマネジメントのめざすところでもあるのです。

6秒で逆に怒りが強くなるのは、待っている間に怒っていることを考え続けてしまうから。それを防ぐために、怒りを頭から追い出すアンガーマネジメントのテクニックが有効です。


準備にかける時間

今日は、いつものプラザノース(埼玉県さいたま市北区)にて、3名様にアンガーマネジメント入門講座でした。

アンガーマネジメント入門講座は、使用するテキストも、伝える内容も決まっています。しかし前日は、ほぼ一日を準備に費やしました。これはパソコンの講座でも同じです。30名に6時間でも、3名に90分でも、準備に注ぐエネルギーは同じです。

学んだことと経験したことを頭と心に詰め込むだけ詰め込んだら、あとは受講者様に合わせて、必要なものを取り出してお伝えする。受講者様が醸し出す「これ聞きたい」「これ知りたい」を読み取ってニーズに応えていく。

私の尊敬する講師は、幾度となく担当した初心者向けの科目であっても、前日に3回はリハーサルとするとおっしゃっていました。リハーサルをしなくても完璧にできる方なのですが、それでもリハーサルをするのです。完璧、は才能と努力の上に、さらに努力を重ねて磨かれてゆくものなのだな、と思いました。今から20年ほども前の話です。

講座は、前日から始まっている。それを忘れず、次回もしっかり準備して、講座に臨みたいと思います。


書籍紹介「怒らない伝え方」

アンガーマネジメント研修で、必ずご紹介しているのが、「アンガーマネジメント 怒らない伝え方」です。日本アンガーマネジメント協会の戸田久実理事が執筆されています。

自分の事例を探して読むのではなく、ざっとでも良いので、最初から最後まで目を通してみてください。怒っていることを伝える時に必要なのは、決して、うまい言い回しや言葉巧みな表現ではないことに、気づけるのではないかと思います。怒っていることをどう伝えるために必要なものは何か、上手な怒りの伝え方の基本が、なんとなく見えてくるはずです。

この書籍は、水を求めている人に水を与えるのではなく、井戸の掘り方を教えてくれるような内容です。特に、怒っていることを表現できず、抑え込んでしまってつらい、という方にお薦めです。


激昂の思い出

もう何年も前のこと。まだ、アンガーマネジメントを知らなかった頃の話です。

大手ガソリンスタンドで、5,000円の洗車カードが「今なら2,500円」というので購入しました。これまで洗車は夫に任せていましたが、これを機会に私も洗車に来よう、そうすれば車好きな息子(当時は小学校低学年)と、これからたくさん一緒に洗車できる、きっと喜ぶだろうな、と思ったのです。

ところが。そのカードの有効期限は、その時点で残りわずか3週間。2回目に行った時、すでに有効期限が切れていて使えませんでした。激しい怒りがこみ上げてきました。

結局、支払った金額のうち前回の洗車費用分を差し引いた額が返金されたのですが(私は怒鳴ってしまいそうだったので、代わりに夫に対応してもらいました。)悪びれる様子もない店長の口調に、私は尚も強く、激しい怒りに震えていました。

「確かに、有効期限を確認しなかった私も悪い。しかし、有効期限3週間なら販売前にそれを客に伝えるべきだ。それが企業としてのモラルだろう。これは詐欺も同然だ。大手企業がこんな詐欺まがいのことをして良いのか。これは絶対に許せない。断じて許さない。返金の対応だけでは絶対に済ませない。必ず社会的制裁を加えてやる。閉店に追い込んでやる。」(私の「怒りの強度」は、偏差値65というハイスコアです。)と、具体的にどういう流れで何をするか、本気で画策していました。

今は、なぜ、私があそこまで怒ったのか。その理由がはっきりわかります。

わが子です。わが子の喜ぶ姿、わが子の笑顔、わが子と一緒に洗車をする時間。それら無上の喜び、もっと言うと”幸せ”を奪われたような気持ちになったのだと思います。そんな思いが大きな悲しみとなり、その悲しみの大きさの分だけ、怒りが強くなったのでしょう。(怒りは第二次感情)また、敵に大切なものを奪われそうになっているという錯覚、闘争・逃走反応に陥ったということもあると思います。(怒りは防衛感情/闘争・逃走反応)

あのガソリンスタンドは、今も営業しています。便利な場所にあるので、とても助かっています。もしあの時、アンガーマネジメントに出会わなければ、私はきっと後悔するような行動を取っていたでしょう。今は、「あの頃は、ガソリンスタンドも経営が大変だったのかもしれないな。まあ、色々あるよね」と思うだけで、特に怒りはありません。


2016年を振り返って

今年も、今日で終わりですね。

私にとっては激動の一年でした。皮膚を剥がすように、古い自分から新しい自分へと生まれ変わるのを感じました。

それはヒリヒリとした痛みも伴いましたが、振り返れば、それこそが天から与えられた贈り物、光輝く宝石でした。

新しい出会いもたくさんありました。本当に大切なものにも気づかされました。進むべき道も見えてきました。

来年も、私は生きる!精一杯、生きる!やります!

来年もどうぞよろしくお願いします!


「付き合わない」という選択

日本アンガーマネジメント協会 安藤俊介代表理事のブログです。
「付き合わない」という選択
http://andoshunsuke.com/essay/1302/?fbclid=IwAR0zeSiFwX6awQ5PFonx7zGJtPxQbwZcs3-mR5J56385auGmAz4ub2TzMbE

私の場合は、怒りの感情をコントロールできないがゆえに、大切にしなければならない人との関係でさえも自ら断ち切って生きてきました。取り返しのつかないことを言ってしまう前に、その対象から遠ざかることを選んできたのです。

怒りを感じない日々は快適でした。でも、寂しいと感じることもありました。

アンガーマネジメントを知り、怒っても良いのだということ、怒りの伝え方があることを知り、人との関わり方が変わりました。

私の場合は、アンガーマネジメントのおかげで、「付き合わない」だけでなく、「付き合う」という選択もできるようになりました。


AMKITに認定

11月1日付けで、(大変長い名称ですが)アンガーマネジメント キッズ インストラクター トレーナーに認定されました。これは、子どもたちにアンガーマネジメントを教えるキッズ・インストラクターを養成するトレーナーの資格です。もちろん、キッズ向けの講座を開講することもできます。

自分が子どもたちに何かを教えているイメージがどうしても浮かばないので、キッズ・インストラクターではなく、キッズ・インストラクターのトレーナーになる資格を選びました。

子どもたちが上手に自分の怒りをコントロールすることができれば、「いじめ」をゼロにできるのではないか。子どもたちにアンガーマネジメントを伝えたい。そう思ってくれる仲間をこれから増やしていけたら、と思います。がんばります。


それにしても長い

スーパーのレジで、前の女性が、お財布からなかなか小銭を出せずにいました。小銭を使い切りたいとか、たとえば10円玉を5枚以上残したくないとか、私のように何かこだわりがあったのかもしれません。

が、それにしても、長い。

深呼吸をして、窓の外を眺めました。綺麗な夕焼け空です。ふっと笑顔になり、視線をレジに戻すと、まだ小銭をもそもそしている。

ええっ!まだ!? いつまで待たせる気!? 一体、何を探しているのよ! 夕方は混雑していることくらい主婦ならわかるでしょ!ちょっと、ちょっと、もういい加減にしてよー!

と、心の中で叫んでしまいました。おそらく、アンガーマネジメントの6秒待つテクニックを使ったことが、怒りを増幅させたのでしょう。「せっかくアンガーマネジメントの6秒テクニックを使ったのに!」と、アンガーマネジメントに裏切られたような気持ちになったのだと思います。「6秒待ったらイライラが消えるべき」という期待があったのかもしれません。アンガーマネジメントに腹を立てるなんて。ふと、笑ってしまいそうになりました。

前の女性の清算が遅いと言っても、おそらく数十秒程度です。スーパーを出るのが数十秒遅れても、そうたいしたことはないはずですが、そこが「夕方」の「スーパーのレジ」で「両隣の列がスイスイと進んでいた」から、自分だけが足止めされているように感じ、焦りや不満からイライラが生まれたのでしょう。(怒りは第二次感情)

改めて周りを見ると、両隣も長蛇の列です。他の列に並び直すよりこのまま待つほうが得策です。どんなに長くても1分はかからないでしょう。もし1分たってもまだ会計が終わらないなら、その時はまたどうするかを考えることに決めました。(変えられるが、重要ではない/行動のコントロール)

すると、数秒過ぎたところで前の女性が探すのを諦めたのか、直後に会計が終了しました。以前なら、あからさまにイライラしているという態度を取ったり、その女性をじっと見たりしていたでしょう。そんなことをしたら、きっと後で「私はなんて感じが悪いのだろう」と自己嫌悪に陥っていたでしょう。でも、そうならずに済みました。

途中でアンガーマネジメントに怒りを覚えてしまいましたが(笑)その後、なんとかアンガーマネジメントに取り組み直すことができました。今度は、最初から上手にアンガーマネジメントできるようになると良いのですが。地道にコツコツ、これからも取り組んでいきたいと思います。


なぜ、そこに停める?

車で帰宅途中のこと。住宅街の狭い道のほぼ中央にタクシーが停車していました。降車中のようでしたが、かなり長い時間、待たされました。

「かなり長い時間」「待たされた」という表現に、私の怒りの程度が透けて見えます。実際は1分もなかったと思います。しかし、私は待っている間、こう考えてしまっていました。

なんでそこに停めるんだろう?もうちょっと端に寄せてくれれば通れるのに。そもそも、あと数メートル進めば道幅が広くなるんだから、そこまで行って停まればいいのに。タクシーなんだから、それくらい気づきそうなもんなのに、気が利かないなあ。あー、ほら、後ろから車来ちゃった。列、できちゃうよ。それにしても遅いなあ。まだかなあ。

上記、改めて読んでみると、20秒程度です。しかし、私はもっともっと長く感じました。

長く感じたのは、イライラしていたからです。目の前のタクシーに向かって、頭の中で不満をぶつけ続けていたから。20秒程度なら、何か他のことをして気を紛らわせていれば、あっという間に感じたはずです。たとえば、ラジオやテレビのチューニングをしてみたり、ナビの目的地履歴を確認してみたり、布でダッシュボードを拭いてみたり、何かすればそれほどイライラせずに済んだのではないかと思います。(衝動のコントロール)

また、怒りが強くなったのは、「タクシーなら後続の車に配慮できるはず」「後続の車に配慮して、もう少し先へ停めるべき」があったからでしょう。もっと言うと、「人に迷惑をかけるべきでない」があるのかもしれません。

しかし、よく考えてみれば、タクシーは客商売。お客様から「ここで停めて」と言われれば、停めざるを得ないのでしょう。仕方のないことです。また、初めての場所であれば、少し先へ進めば道幅が広くなることに気づけないこともあります。それも仕方のないことです。許せない、と思うほどのことでもありません。おまけに、ほんの数十秒、道を塞いだくらいで「迷惑」とは、物事を大げさに考え過ぎです。世の中はお互い様。すみませんね、で良いのです。(思考のコントロール)

アンガーマネジメントのテクニックで怒りを整理したら、私は、怒る必要のないことで無駄にイライラしていたのだということに気づくことができました。

これが、リアルタイムでできればと思うのですが、なかなか難しいものです。

でも、実はこれが何より大切。アンガーマネジメントできなかった自分を責めない。「私はできるべき」を手放す。私はできない。できないけれど、努力はしてる。そこを評価しよう。私、がんばってて偉いよ。と、自分を許してあげると、他人への許容度が上がるのです。

今回はイライラしちゃいました。でも、反省できたからよしとしよう。次、がんばろう。